栽培環境  
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こでは私の植物栽培をどの様に育てているのか説明して行きます
但しこれらの内容が他の栽培環境にすべて当てはまるかは解りませんので御理解して下さい.

 
1. 日照条件について 
だいたいのネペンテスは日光を好みますが、好むと言うだけでたくさん日を当てる事とは違います 私の温室は午前中のみ日が当たります。たまたまそこにしか置く所がなかったのですが、葉の色ツヤを見ていると日照は、普通だと思っています。時間は4~5時間と言うところでしょうかただ、袋の付き難い種類などは光の強さではなく弱い光の時間の長さが大切と言う話が有り夜の涼しい時間帯に蛍光灯を点けて光の照射時間を増やして見ようかと考えています。夏の場合午後の西日などが照りつけると低地性ネペンテスでさえも高温になりすぎ調子を崩します。ましては高山性ネペンテスなどなおさらです。何も無理に日光を一日中当てる必要はないと思いますのでそれよりも温度管理の方が大切です。四季を通じて日照条件が変わりますので4種類のネットを使い分けて遮光率を夏は50%冬は20%という様に対応しています。だいたいの目安ですが葉が厚く固めのタイプの植物は日光を好む傾向の様です。後は植物の特性を見ながら温室内の場所を変えて調整siていますが、私は太陽光で育てるのが一番だと思い,栽培しています。太陽熱との戦いがたいへんですが、確かに人工光線などを使い室内で管理すれば だいぶ楽と思います。しかし紫外線不足、新鮮な空気不足による病気やカビの発生の心配や又その植物本来の色ツヤ、葉が厚く節の詰まった株が出来難いと言う事でどうにか太陽光で栽培しています。又補足ですが私の温室内の冷水シャワーは、けっこういき良いよく出ております。それにより温室内は空気が良く循環しています。これは大事なことで、けっして空気が停滞している様に環境にはしない方が良いと思います。葉が呼吸出来ないばかりか葉の表面にカビが生えて植物にはかなりダメージになります。但し逆に空気の流れが速すぎると葉の表面が乾燥しすぎてしまいます。イメージとしては山林の霧がそよ風で、ここち良く肌に当たるあの様な感じです。 
 
 2. 温度、湿度について
 これはネペンテス栽培の中で一番重要な課題です。日本の春夏秋冬に合わせて湿度を80~90%に維持するのは不可能で作り安い時期の時に最盛期の株を楽しむという具合です。低地性ネペンテスは暑さに強いと言っても35℃位になったら換気をして温度を下げましょう。それ以上温度を上げた状態が続くと温度障害が出て調子を崩します。当然湿度は下がりますが加湿器などを使って湿度を補いさえすれば問題なく栽培出来ると思います。高山性ネペンテス栽培の場合は、温室が締切った状態ですから湿度が維持出来ると思いきや外気との温度差がかなり有る為空中湿度が奪われてしまうという現象が起きます。少しでも湿度を維持する為に冷水シャワー方式を考案したのですがそれでも湿度は減ります。色々考えた結果温室の下を1メートル程掘り下げて土壁面にシダ類などを植え湿度の蒸散を促すと言うやり方でだいぶ改善されました。又、温室内はシダ類などがたくさん生え緑の香り(オゾン)でいっぱいになります。これらも相乗効果を上げているかもしれません。後掘り下げる事で地下部に冷気が溜まり昼の急激な温度上昇も抑えるという 利点も有ります。ただし湿度に、こだわりすぎて葉が常に濡れているのはいけません。カビの発生により病気になりやすくなります。昼間乾燥気味、夜は葉を濡らすのを繰り返します。ネペンテス栽培は環境作りがほとんどと言っても過言ではなく一年をいかに植物にストレスを与えないかが成長のカギで夏の境で大きくなったり小さくなったりの繰り返しでは何年たっても成長は望めません。たいへんですが毎日の日常管理を頻繁に見るしかなく、例えば私は朝の天気予報を見て晴れか、曇りか、雨かにより毎日加湿器の量を変えて管理しています。
 温室下の状態
 栽培環境
 
3.用土について 
 昔は用土と言えば水ゴケしかなかったので使っていましたが、使い始めは良いのですが半年もすると劣化してきてPHのバランスが崩れ一年で植え変えたくなります。しかし丁度一年位から根も安定して良い時期なので植えかえを伸ばしていたりしてました。又植えかえ時、根が古い水ゴケに絡みつき根を守る為にほとんど水ゴケが取れない状態でそのまま新しい水ゴケを巻いて鉢に植えていたのですが、雑菌が多い古い用土を残すとどうも気になり何か代わりの物はないかということで砂利系の素材を探しました。砂利系だと植えかえ時、根をほとんど傷める事無く長期に渡り劣化しなくてすむ理由です。色々な用土を園芸センターもしくはインターネットで探し色々試して見まして。探し当てたのはセラミスです。これは水に溶け難くそれでいてそれ程硬くないと言う理由で現在基本用土として使っています。ポイントとしてネペンテスの根は土質が硬いと根が張り難いと言う事を覚えておいて下さい。そこを旨くバランスを考えて配合します。又、質量が重い土のが根の安定の為に良い様です。但しセラミスですが、注意したいのは多孔質粘土の為水分を多く含みやすい性質があり、そのまま使うと根腐れが起きやすくなります。必ずフルイに掛けて小さな粒を取り除き荒い粒だけを残します。だいたい3分の一は捨てる事になりますがこれにより水はけ良く植えられます。次は他の用土の選別ですが、セラミスはほぼ中性の用土なのでこれに酸性の用土を加える必要が有ります。弱酸性の用土を加えただけでは中性のセラミスと混ぜると酸度のバランスが良くないと考え酸性の用土を探しましたがその様なものはありません。この場合ピートは除外します。当然酸性を好む植物は一搬的にはほとんどなく弱酸性の植物は良くありますので弱酸性の用土は色々手に入りますが,そこで極端にもネペンテス達の故郷の土ラテライトがないか探したら手に入ったので、これを混ぜる事にしました。これは酸性の土間違いないと思いますが、土ではなく岩石で購入したのでなおさら好都合で、これをセラミスと同じ位の粒にしてセラミスを基本にした混合用土に少し混ぜています。ただラテイトは岩石と言っても柔らかい石です。よって水分が含みやすいので、この配合だけでは問題があります。そこでここにパーライトやひゅうが土の中粒を混ぜ水はけを良くします。そして鉢底用のゴロ石ですが、今の所使っているのは溶岩砂の大きいサイズです。ひと粒がおおよそ10ミリ位を鉢の三分の一程入れています。重いので鉢の安定が良いのと酸性なので使っていますそこにセラミスの配合土を一度薄く撒いた所に根を置いて、そこからゆっくり追い足す様に植えますが環境上、土が湿りやすいのでセラミスはこの位の割合にしておきます。植え換えた時などはゴロ石の方に根が良く回っているので、いかに酸素を要求しているかが解かります。セラミスは一つのつなぎの様なものでして、低地性ネペンテスの場合はセラミスの割合を多めします。但し高山性種は問題ないのですが,低地性種に関して言えば全種類この用土でも問題ないとは言えない様で。乾燥しやすい配合ですので低地性種環境下ですと乾燥しすぎてしまう傾向でして少し工夫が必要な様です。乾燥が好きな種類ならば問題ないと思います。
 セラミス
 セラミス
 ラテライトの岩石
 石
 
 4.肥料について
 有機質の用土は多少の肥料分が含まれているのですが無機質の用土は何も含まれていません。そのままだと成長は遅れがちです。まず基本は、袋に直接少し濃い目の液肥をあげます。但し固形肥料や昆虫などをあげると袋の寿命が短くなります。これで成長の効果が出てきます。さらに成長を望むなら直接用土に与える訳ですが、これは少し冒険になります。私も色々試しましたが、最近問題なさそうな肥料が見つかり良い方向になりつつある様で凄く薄めてから様子を見ている段階なので、今の所商品名はとりあえず伏せておきます。又、用土の上に固材料料はやめた方が無難です。藻やカビなどが生えたり肥料の効果が持続するのは良くないと私は判断していまして、私の場合は普通の水やりと液肥の混ざった水を交互にあげて様子を見ています。
 
 5.苔について
 主に高山性ネペンテス関係の話ですが苔の存在の重要性です。高山性種の温室内では、昼間は乾燥夜はびしょ濡れの繰り返しですが、このびしょ濡れ状態の時、土内に過剰な水分を浸透させないという効果があります。苔の回りに水滴がたくさん付いているのに苔をめくって見るとそれ程濡れていないので根腐れ防止に役だっている様です。又自らも水分を吸い上げ無駄な水分を蒸散させます。このセラミスは良く苔が生えやすく、この様な面でも気にいってます。苔は何種類か生えてきますが根が土深く入り込むゼニ苔などは植物に悪影響を及ぼすので取り除きましょう。
 
 鉢上の苔の状態
コケ 
 
 6.水について
 私の所の水は都会では珍しい井戸水で、使用権利に限りがあり近所に新しく越してきた方は水道水なので我が家の水がうまいと飲みに来るほどです。PHを計ると7.9を示しました。世に言う弱アルカリイオン水と言う事です。昔何度かネペンテス栽培を試みたのですがどうも上手くいかずしばらく栽培は遠ざかっていました。ある栽培家の話で井戸水を使っていたら植物が全滅したとの事で、話を聞いて見ると水に含まれるミネラル(塩基類)が多いと根から水を吸えなくなると言うことを聞いて驚きました。考えてみれば山のジャングルは降雨量が多く空気の綺麗な所の雨は純水に近い訳で植物達はそれに依存して生きています。目から鱗が取れた思いで4年程前から再度本格的に栽培を始める事にしました。マーフィードのイオン交換器を使った水をバケツに溜め使っています。新品時のTDS値(不純物溶解度)は0~3位です。雨水は10~30との事らしくこの交換器はかなり長持ちで値が10以上になるのに約3年位持ちました。私は15位の値の所で一度交換しています。今ではみんな元気ですくすくと育っています。
 
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